食道・胃・小腸腫瘍におけるFGFR2b発現の検討

東京大学医学部付属病院にて胃生検・大腸生検を受けた方およびそのご家族の方へ

 東京大学人体病理学・病理診断学教室では、胃癌、十二指腸癌、小腸癌、食道腺癌、及びこれらの腫瘍の転移巣(播種を含む)におけるFGFR2bの発現について研究しております。
この研究の対象者に該当する可能性がある方で、診療情報や病理検体等を研究目的に利用されることを希望されない場合は2023年6月30日まで、もしくは手術や生検などの治療を受けた後3カ月以内を目安に末尾に記載の問い合わせ先までご連絡ください。

研究課題

 食道・胃・小腸腫瘍におけるFGFR2b発現の検討(審査番号10461-13)

研究機関名及び本学の研究責任者氏名

この研究が行われる研究機関と研究責任者は次に示すとおりです。
 研究機関 東京大学大学院医学系研究科 人体病理学・病理診断学教室
 研究責任者 牛久 哲男 人体病理学・病理診断学 教授
 担当業務 研究計画立案・データ取得・データ解析

この研究に利用する試料・情報は東京大学人体病理学・病理診断学教室のみで利用されます。

研究期間

承認日~2027年12月31日

対象となる方

※対象者が、自身が該当することが理解しやすいように記載してください
1990年1月1日 ~ 2023年3月31日の間に当院の内科や外科で胃癌、十二指腸癌、小腸癌、食道腺癌及びそれらの転移巣に対する生検や手術を受けられた方。

研究目的・意義

 近年、胃がんに対する新しい治療標的分子としてがん細胞の表面に現れるタンパク質の一つであるFGFR2bが注目されています。FGFR2bを有する胃がんに対してFGFR2bの抗体が治療薬として有効な可能性が示されていますが、FGFR2bを有する胃がんの特徴や、転移巣でもFGFR2bが癌細胞の表面にあるかどうか等について、よく分かっていないことがあります。また胃以外の消化管(十二指腸、小腸、食道)にも胃がんと類似したがんが発生する場合がありますが、これらのがんで細胞の表面にFGFR2bがあるかどうかについて、分かっていないことが多い状態です。本研究では、胃がん、十二指腸がん、小腸がん、食道腺がんの病理検体を対象に、FGFR2bの免疫染色を行い、がん細胞がFGFR2bを有する頻度や、FGFR2bを有する症例の特徴を明らかにすることを目的としています。

研究の方法

 東大病院病理部に保管されている病理組織検体(通常の病理診断が終わった後の残りの検体)を用い、免疫組織化学染色という方法を用いて、腫瘍細胞がFGFR2bを発現しているかどうかを調べます。陽性症例、陰性症例それぞれどのような特徴があるか、解析します。
 これまでの診療で診療録(カルテ)に記録されている血液検査や尿検査結果、内視鏡検査、画像検査、病理検査などのデータを取得して行う研究です。特に研究対象者の皆さんに新たにご負担いただくことはありません。
 なお、研究計画書や研究の方法に関する資料を入手・閲覧して、研究内容を詳しくお知りになりたい場合は、末尾の連絡先にお問い合わせください。他の研究対象者の個人情報等の保護や研究の独創性確保に支障がない範囲でご提供させていただきます。

個人情報の保護

この研究に関わって取得される試料や資料・情報等は、外部に漏えいすることのないよう、慎重に取り扱う必要があります。
 取得した試料や資料・情報等は、解析する前に氏名・住所・生年月日等の個人情報を削り、代わりに新しく研究用の符号をつけ、どなたのものか分からないようにします。どなたのものか分からないように加工した上で、研究責任者のみ使用できるパスワードロックをかけたパソコンで厳重に保管します。ただし、必要な場合には、当研究室においてこの符号を元の氏名等に戻す操作を行い、結果をあなたにお知らせすることもできます。

この研究のためにご自分(あるいはご家族)の試料や情報・データ等を使用してほしくない場合は主治医にお伝えいただくか、下記の問い合わせ先に2023年6月1日まで、もしくは手術や生検などの治療を受けた後3カ月以内を目安にご連絡ください。研究に参加いただけない場合でも、将来にわたって不利益が生じることはありません。
 ご連絡をいただかなかった場合、ご了承いただいたものとさせていただきます。

 研究の成果は、あなたの氏名等の個人情報が明らかにならないようにした上で、学会発表や学術雑誌で公表します。

 取得した試料や情報・データ等は厳重な管理のもと、研究終了後5年間保存されます。保管期間終了後には、紙資料はシュレッダーで破砕し、電子データは専用ソフトを用いて復元不可能な形で消去することで廃棄します。なお研究データを統計データとしてまとめたものについてはお問い合わせがあれば開示いたしますので下記までご連絡ください。

尚、提供いただいた試料・情報の管理の責任者は下記の通りです。
試料・情報の管理責任者
 所属:東京大学大学院医学系研究科 人体病理学・病理診断学
 氏名:牛久 哲男

 本研究の結果として知的財産権等が生じる可能性がありますが、その権利は国、研究機関、民間企業を含む共同研究機関及び研究従事者等に属し、研究対象者はこの特許権等を持ちません。また、その知的財産権等に基づき経済的利益が生じる可能性がありますが、これについての権利も持ちません。

 この研究は、東京大学医学部倫理委員会の承認を受け、東京大学医学部附属病院長の許可を受けて実施するものです。

 この研究に関する費用は、東京大学大学院医学系研究科・医学部人体病理学・病理診断学分野の運営費及び日本学術振興会科学研究費補助金から支出されています。

 本研究は、第一三共株式会社より免疫染色に用いる試薬(FGFR2bに対する抗体)の提供を受けて実施いたしますが、東京大学医学部利益相反アドバイザリー機関に報告し、利益相反マネジメントを適正に行っています。 研究の実施や報告の際に、第一三共株式会社に都合のよい成績となるよう意図的に導いたりすることはありません。

 尚、あなたへの謝金はございません。

 この研究について、わからないことや聞きたいこと、何か心配なことがありましたら、お気軽に下記の連絡先までお問い合わせください。

 

                                                 2023年4月

【連絡・お問い合わせ先】
研究責任者:牛久 哲男(うしく てつお)
連絡担当者:阿部 浩幸(あべ ひろゆき)
〒113-0033 東京都文京区本郷7-3-1
東京大学大学院医学系研究科・医学部 人体病理学・病理診断学
電話:03-5841-3341  FAX:03-3815-8379
e-mail:pathology-ikyoku@umin.ac.jp